「原因不明で長期化する蕁麻疹」の正体とは?悩む女性に新たな治療選択肢の可能性

突然現れる赤い膨らみと強い痒み。しばらくすると跡形もなく消えてしまう「蕁麻疹(じんましん)」は、多くの女性が一度は経験したことがあるのではないでしょうか。

しかし、原因が分からないまま症状が長引く「慢性特発性蕁麻疹」については、まだまだ正しく理解されていないのが現状です。この疾患の実態と最新の治療法について、サノフィ株式会社が開催したメディアセミナーを取材しました。
蕁麻疹の約6割が「原因不明」の慢性特発性蕁麻疹

『慢性特発性蕁麻疹(CSU)セミナー蕁麻疹経験者 高橋真麻さんが聞く「また出た」を長期間繰り返す患者さんの“見えない負担”とは』とのテーマを掲げた今回のセミナーでは、専門家が「慢性特発性蕁麻疹」を詳しく解説。

さらに蕁麻疹の経験を持つフリーアナウンサーの高橋真麻さんも登壇し、患者の立場から実体験を交えたトークセッションが繰り広げられました。

大阪医科薬科大学の福永淳先生によると、慢性特発性蕁麻疹(CSU:Chronic Spontaneous Urticaria)は、蕁麻疹全体の約6割を占めるそう。

「特発性」とは医学用語で「原因が特定できない」という意味で、多くの人がイメージする食物アレルギーなどによる蕁麻疹とは全く異なる疾患とのことです。

高橋真麻さんも「私自身も昔お寿司屋さんで青魚を食べて蕁麻疹になった経験がありますが、それは食物アレルギーによるものなんですね。今日お話をうかがって、蕁麻疹にはいろんな種類があることを改めて知りました」と話します。

この疾患は40代をピークに働く世代の女性に多く発症し、推定患者数は約200万人。日本の推定有病割合は1.6%にのぼるといいます。決して珍しい病気ではありません。
いつまで続くのか、いつ発生するか予測できない症状への不安

慢性特発性蕁麻疹の特徴について、福永先生は「まさにモグラ叩きをしているような病気」と表現しました。膨疹が現れては消え、また別の場所に現れるというサイクルを繰り返すため、患者さんにとっては「いつまで続くか分からない」という不安との闘いでもあります。

高橋さんは「疲れている時や寝不足の時に、必ず右手の同じ場所にポツポツと痛痒いものが出るんです。それが私の中でのバロメーターになっていて、『疲れてるな、免疫力が弱ってるな』と感じます」と、自身の体験を語りました。

平均罹病期間は1~5年とされていますが、中には10年以上症状が続く患者さんも。サノフィが実施した調査では、症状のコントロールが不十分な患者の約4割が「10年以上」症状に悩まされており、そのうち4人に1人は「ほぼ毎日症状が出続けている」という深刻な実態が明らかになりました。
新たな治療選択肢となる「分子標的薬」への期待
従来、慢性特発性蕁麻疹の治療は抗ヒスタミン薬が中心でしたが、これだけでは症状のコントロールが不十分な患者さんが60%以上存在することが分かっています。しかし近年、病気の原因となる物質をピンポイントで狙い撃ちする「分子標的薬」が登場し、治療の選択肢が大幅に広がりました。

皮膚の内側に原因があって起こる『蕁麻疹』の治療は飲み薬がメインで、皮膚表面の炎症である『湿疹』は塗り薬がメインの治療法だということも今日初めて知りました」と高橋さん。「きちんと受診して、その時に合ったお薬を使うことの大切さを感じました」と話します。

福永先生は「分子標的薬の登場により、従来の標準治療では効果不十分だった患者さんを1割以下まで減らせる可能性があります」と期待を示します。一方で、調査によると93.5%の患者さんがこの新しい治療選択肢の存在を知らないという現実も明らかになりました。

「症状が出た時に写真を撮ったり、UCTスコアというツールを使って症状の程度を客観的に伝えたりすることが重要」と福永先生はアドバイス。

慢性特発性蕁麻疹は、治療によって「症状が現れない状態を目指せる」疾患だからこそ、患者と医師のコミュニケーションを改善し、一人ひとりに最適な治療法を見つけることが重要です。

長年症状に悩んでいる方は、諦めずに専門医に相談してみてはいかがでしょうか。

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