
自分たちで育てたタマカイを試食する生徒たち
好適環境水を利用して魚養殖とともに野菜・果物を栽培する循環型農法「アクアポニックス」に取り組んでいる岡山県立東岡山工業高校(岡山市中区)で11月19日、生徒たちが育てた“幻の高級魚”タマカイの試食会が開かれました。企業からの陸上養殖水槽寄贈式も合わせて行われ、生徒のほか教職員、出席者全員で生徒たちが手塩にかけて育てたタマカイの握りずし、刺身、あら炊きなどを堪能しました。
タマカイは、岡山理科大学の生物生産教育研究センターで稚魚から育った成魚20匹を8月中旬、同校の水槽に移し、生徒たちが水質管理、給餌などに取り組んできました。このうちの体長約45㌢、体重約1.8㌔ほどの3匹を使って、同高と親交のある総社市の料理店「遊食房屋」の調理担当者が握りずし、薄造り、あら炊き、皮の湯引きに仕上げました。
早速、舌鼓を打った生徒たちは「めっちゃ、うまい!」「最高です!」と大喜び。「教職員らからも「うま味がすごい」「美味しいです」と絶賛の声が相次ぎました。
この日は、生徒がクラウドファンディングで集めた約45万円を元に、自分たちの手で作り上げた5㌧水槽もお披露目されました。この水槽でタマカイを大きく育てて産卵させ、「完全養殖を目指す」そうです。
寄贈された陸上養殖水槽は、高梁市のアルミ加工メーカー「日軽形材」と陸上養殖施設メーカー「ARK」(神奈川県平塚市)が共同開発した10㌧水槽。寄贈式で、日軽形材の佐々木英孝社長は「アクアポニックスは先進的なチャレンジ。この水槽で皆さんの研究がさらに発展するのを願っています」と挨拶。岡山理科大学生物科学科の山本俊政准教授は「好適環境水は魚を育てますが、同時に人も育てます。工業高校のこれからの取り組みに是非期待したいと思います」と生徒たちにエールを送りました。
これに対し、生徒会長の横山大悟さん(機械科2年)が「(新たな設備を利用して)より高度なアクアポニックス研究に挑戦することができ、研究の幅も可能性も大きく広がります」とお礼の言葉を述べました。

ズラリと並んだタマカイ料理

生徒の手で大きく育った“幻の高級魚”タマカイ

「好適環境水は魚だけでなく、人も育てる」と話す山本准教授

お礼の言葉を述べる横山・生徒会長

アクアポニックス装置。右側の水槽でタマカイを飼育し、その排出物でバナナを水耕栽培(左側)

クラウドファンディングを利用して完成した5㌧水槽

寄贈された陸上養殖用の10㌧水槽

出席者全員で記念撮影
岡山理科大学 : https://www.ous.ac.jp/








