博物館にも春が訪れました。東京国立博物館(館長:藤原誠)は、今年も春の恒例企画「博物館でお花見を」を開催します。
本館では、桜をモチーフにした日本美術の名品を各展示室でご覧いただけます。また、庭園では約10種類の桜が続々と開花します。作品鑑賞とあわせて、庭園散策や各種イベントもお楽しみください。

9. メインビジュアル
■本館で桜めぐり
主に日本美術を展示する本館の各展示室では、桜の名所を描いた絵画「嵐山春景」をはじめ、「色絵桜樹図透鉢」や「桜西行蒔絵硯箱」といった、桜をモチーフにした陶磁器や漆工など、さまざまな作品をご覧いただけます。
該当作品のキャプションには桜マークが付いていますので、それを探しながら展示室内の桜をご堪能ください。
※4月7日(火)まで、本館2階「屏風と襖絵」「暮らしの調度」「書画の展開」「能と歌舞伎」「浮世絵と衣装」は閉室しています。
【主な展示作品】 ※作品はすべて東京国立博物館蔵
1. 嵐山春景(あらしやましゅんけい) 塩川文麟筆 明治6年(1873) 塩川文麟氏寄贈
3月10日(火)~4月19日(日) 本館1階「近代の美術」にて展示
文麟(ぶんりん)は京都に生まれ、幕末から明治初期にかけて活躍した、近代京都画壇の基礎を築いた画家の一人です。本作品は、山水の名手としても知られた文麟が、桜の名所である嵐山の情景を描いたもので、画面全体を覆う靄(もや)にけぶる大気の表現により、嵐山に咲く可憐な桜がより映えています。文麟自ら博物館に寄贈した作品です。

1. 嵐山春景
2. 色絵桜樹図透鉢(いろえおうじゅずすかしばち) 仁阿弥道八作 江戸時代・19世紀
3月10日(火)~5月31日(日) 本館1階「陶磁」にて展示
満開の桜が器の内側と外側に、白を中心に赤、青の絵具を用いて点描表現であらわされています。口縁近くにあしらわれた複数の透(すかし)表現も巧みで、のぞき込むとまるで花を揺らす風まで感じられるような、心躍る一作です。

2. 色絵桜樹図透鉢
3. 桜花山鵲図鐔(おうかさんじゃくずつば) 塚田秀鏡 明治3年(1870)
3月3日(火)~5月24日(日) 本館1階「刀剣」にて展示
のどかな春を祝うかのように、鐔のなかで山鵲が舞い、桜が花を咲かせています。ゆったりとした空気を感じるのは、尾の広がりや桜の枝ぶりが余白と調和しているからです。この鐔は武士の世が終わってまもない時期に作られましたが、刀装具で培われた彫金技術と洗練された感覚は、近代の金工作品に大きな影響を与えました。

3. 桜花山鵲図鐔
4. 桜西行蒔絵硯箱(さくらさいぎょうまきえすずりばこ) 江戸時代・18世紀
3月17日(火)~5月24日(日) 本館1階「漆工」にて展示
漂泊の老僧が桜を眺める姿は近世における「花見西行(はなみさいぎょう)」の定形表現です。蓋裏は一転して琵琶湖の東岸より比叡山を望む景観。西行は文治5年(1189)、比叡山から琵琶湖を眺めて慈円と最後の和歌を詠み、翌年の桜の季節に入寂しました。本作品の意匠構成は、そうした西行の生涯を使用者に想起させるものだったと思われます。

4. 桜西行蒔絵硯箱
5. 瓢形酒入(ひさごがたさけいれ) 船田一琴作 江戸時代・天保14年(1843)
3月10日(火)~5月31日(日) 本館1階「金工」にて展示
瓢箪形の酒入です。黒みがかった四分一(しぶいち)(銀と銅の合金)と赤い素銅(すあか)を斜めに継ぎ合わせ、下の方には金色の桜花を散らし、上の方には雲のかかった銀色の月を配しています。刀装金工として高名な後藤一乗(ごとういちじょう)に師事した船田一琴(ふなだいっきん)の作品です。
今も昔もお花見にはお酒とお弁当が付き物。この洒落た酒入も花見の席が似合いそうです。

5. 瓢形酒入
■桜イベント *すべて事前申込不要、参加無料(ただし、当日の入館料が必要)
◆ボランティアによるガイドツアー・スライドトーク
ボランティアによるガイドツアー・スライドトークでは、「博物館でお花見を」の期間中、構内の樹木や桜、お花見に関わる作品を紹介する予定です。
ボランティアによるガイドツアーやスライドトークなどの日時、詳細は当館ウェブサイトでご確認ください。
*天候等により、内容は変更になることがあります。
◆「東博ぬりえ」
「博物館でお花見を」にあわせ、当館所蔵《色絵桜樹図皿》のぬりえをお楽しみいただけます。
展示室にある作品の色づかいや表現もあわせてご覧ください。

6. ぬりえ
日程:3月10日(火)~4月19日(日)
時間:9時30分~17時00分、夜間開館時は20時00分まで
会場:本館 特別4室
◆お花見ヨガin法隆寺宝物館
どなたでもお気軽にご参加いただける「お花見ヨガ」を実施します。

7. お花見ヨガ2023の様子
日時:3月26日(木)
(1)13時00分~13時30分
(2)14時00分~14時30分
(3)15時00分~15時30分(受付開始は各回15分前〈予定〉)
場所:法隆寺宝物館エントランス
※先着20名、当日受付、参加無料(ただし、当日の入館料が必要)
※詳細は当館ウェブサイトをご確認ください。
◆東博句会「花見で一句」
「博物館でお花見を」の期間中、桜をテーマにした俳句を募集します。桜咲く庭園や、桜をモチーフにした作品をテーマに、一句詠んでみませんか?
応募方法等などの詳細は、当館ウェブサイトでご確認ください。
■庭園散策について
庭園には、ソメイヨシノをはじめ、オオシマザクラ、枝垂れのエドヒガンザクラなど、約10種類の桜が次々と開花します。池の前にある腰掛石に座って、ゆったりと景色を楽しむこともできます。散策のベストシーズンであるこの季節、展示室で見る桜の作品とあわせて、庭園で咲く桜もお楽しみください。

8. 庭園風景
開放時間:9時30分~17時00分
※天候や整備作業等により、閉鎖もしくは散策エリアを制限する場合があります。
※庭園内の茶室の中には入れません。
■その他、2026年3月開催の特集・特別企画
*詳細は、当館ウェブサイトをご覧ください。
特集「明末清初の書画―乱世にみる夢―」
2026年1月1日(木・祝)~ 3月22日(日) 東洋館 8室
特別企画 日韓国交正常化60周年記念
「韓国美術の玉手箱―国立中央博物館の所蔵品をむかえて―」
2026年2月10日(火)~4月5日(日) 本館 特別1室、特別2室
特集「フォルモサ(美しき島)の豊かな暮らし」―台湾の原住民族の資料―
2026年3月10日(火)~5月31日(日) 平成館 企画展示室
【「博物館でお花見を」 来館案内】
会期 : 2026年3月10日(火)~4月5日(日)
開館時間 : 9時30分~17時
※金曜・土曜日は20時まで ※入館は閉館の30分前まで
休館日 : 月曜日
※ただし、3月30日(月)は開館
※本館7~10室、平成館考古展示室は4月7日(火)まで閉室します。
※東洋館8室は3月24日(火)~4月7日(火)まで閉室します。
観覧料 : 一般1,000円、大学生500円
※高校生以下および満18歳未満、満70歳以上の方は無料。
入館の際に年齢のわかるものをご提示ください。
※障害者とその介護者1名は無料。
入館の際に障害者手帳等をご提示ください。
※有料イベント等は別途料金が必要です。
交通 : JR上野駅公園口、鶯谷駅南口から徒歩10分
東京メトロ上野駅・根津駅、京成電鉄京成上野駅から徒歩15分
お問合せ : 050-5541-8600(ハローダイヤル)
ウェブサイト: https://www.tnm.jp/
※会期・開館日・開館時間・展示作品・展示期間、開催内容等については、今後の諸事情により変更する場合があります。詳しくは、当館ウェブサイトでご確認ください。








