ノエビアグループは、スキンケアによる心地よさやポジティブな感情が肌を美しくする「こころと肌の関係」について、客観的に捉えるための新たな評価アプローチの構築に挑みました。ポジティブな感情により分泌されるオキシトシンに着目し、肌状態や心理状態と組み合わせた3つの側面から多面的にアプローチすることで、スキンケア時の「こころと肌の関係」をより客観的に捉えられる可能性を示しました。さらに、オキシトシンが多い人ほど肌状態が良好な傾向を確認したことから、オキシトシンを心と肌をつなぐ“美肌ホルモン”として位置づけました。
本研究は、肌を整えることに加え、自分の肌に丁寧に向き合うことにも着目し、スキンケアという行為そのものが心や肌にもたらす新たな価値を、科学的な視点から提案するものです。
この研究成果の一部は、2026年9月16日から18日にかけて開催された「第28回日本感性工学会大会」で発表しました。

研究成果の概要
【研究背景】
~スキンケアにおける「こころと肌の関係」を科学的に捉えることを目指して~
良い香りとともに肌に優しく触れるスキンケアは、心地よさやポジティブな感情をもたらします。こうした心理的な効果は化粧品における「感性価値」と呼ばれ、近年では単なる使い心地にとどまらず、肌そのものを美しくする作用をもつことが示されています。一方、感性価値は個人の主観に左右されるため、その価値をより客観的に評価するアプローチが求められています。
ノエビアグループでは長年、この「こころと肌の関係」を客観的に捉えるための新たな評価アプローチに取り組んできました。2020年には、細胞試験を通じて、ポジティブな感情によって分泌されるオキシトシンが肌を美しくする可能性を示しました※。しかし、人を対象とした試験においては、オキシトシン量が肌状態や心理状態とどのように関わっているのかは明らかになっていませんでした。
そこで本研究では、実際の人を対象に、オキシトシン量・肌状態・心理状態の関係を明らかにし、3つの側面を組み合わせて検証することで、「こころと肌の関係」をより多角的に捉えることに挑みました。さらに、丁寧なスキンケアの前後におけるオキシトシン量と心理状態の変化にも着目し、肌を整えるという機能面だけでなく、スキンケアがもたらす心理面の価値についても、科学的に捉えることを目指しました。
※ “幸せな気持ちが肌を美しくする” 幸せホルモンがストレス老化を抑えることを発見 (IFSCC (国際化粧品技術者会連盟)第31回大会)
https://www.noevir.co.jp/new/ir_info/pdf/per51/201028a.pdf
【研究成果】
1. オキシトシンが多い人ほど、心理状態・肌状態が良好な傾向を確認
はじめに、オキシトシン量と心理状態の関係を調べました。その結果、オキシトシンが多い人ほど、アンケート時の「幸せな」という感情のスコアが高く、「ストレス」のスコアが低い傾向が確認されました(図.1)。
次に、オキシトシン量と肌状態の関係を調べました。その結果、オキシトシンが多い人ほど、肌の明るさ・なめらかさ・透明感・弾力が高く、赤みが少ないことから、肌状態が良好である傾向が認められました(図.2)。
これらの結果から、オキシトシン量は心理状態だけでなく肌状態とも関連していることが示唆されました。

オキシトシン量と心理状態(図.1)・肌状態(図.2)の関係
2. 丁寧なスキンケアにより、オキシトシンと「贅沢な」という感情がともに増加することを確認
研究成果1より、オキシトシン量が心理状態や肌状態と関連することが示されました。そこで、製剤を使用して実際にスキンケアを行った場合の、オキシトシン量と心理状態の変化の関係を調べました。化粧液とクリームを4週間使用してもらい、使用時には、頬の内側・外側、額、顎に手を当てるハンドプレスを行ってもらいました(図.3)。使用前と4週間後に、オキシトシン量を測定するとともに、アンケートによって心理状態を評価しました。17項目の感情についてアンケートで評価した結果、4週間でオキシトシンが大きく増加した人ほど、「贅沢な」という感情のスコアも大きく増加する傾向が見られました(図.4)。
この結果から、スキンケア時に感じる贅沢な気分とオキシトシン量との間に関連があることが示されました。肌に触れながら丁寧にスキンケアを行うことには、自分の肌に意識を向け、じっくり向き合うという側面があり、こうした行為が贅沢な気分と関連している可能性が考えられます。このことは、肌を整えることにとどまらないスキンケアという行為そのものの価値を考えるうえで興味深い知見と捉えられます。

(図.3)4週間のスキンケア試験の流れ

(図.4)スキンケア時のオキシトシン変化と心理変化の関係
【まとめ】
スキンケアについて、肌を整えるという機能面に加え、自分の肌に丁寧に向き合うことにも着目し、スキンケアという行為そのものが心や肌にもたらす新たな価値を、科学的な視点から示しました。
本研究は、従来の肌状態や心理状態による評価にオキシトシン量を加え、3つの側面から多面的に検証することで、スキンケアにおける「こころと肌の関係」をより客観的に捉えた点が大きな特徴です。
【今後の展開】
今後も、「こころと肌の関係」に着目し、スキンケアという行為そのものがもたらす価値を科学的に解き明かす研究を進めていきます。この研究成果は、今後の基礎化粧品の開発に応用されます。
ノエビアグループは、「自然を科学する」という理念のもと、創業以来培ってきた独自の植物研究と最先端テクノロジーの融合による高機能化粧品の提供を通して、化粧品がもたらすQOL向上を目指してまいります。
<ノエビアのこだわり>
https://www.noevir.co.jp/about/








